関節リウマチとは、関節(骨と骨の隙間)に炎症が起こり、骨がこわれて関節が変形してしまう病気です。炎症とは、文字通り体の中で火事が起こっているような状態ですから、この火を消すことができずにいると関節がだんだんとこわれ、日常生活が大変になってしまいます。私たちは、このような悪い流れを断ち切ることを目指して、“薬の治療”、“手術の治療”、“リハビリテーション・ケア”を行っています。
関節リウマチの炎症は、細菌などの敵と戦うため私たちが持っている“免疫”が、間違って自分を「敵」とみなして攻撃してしまうことで起こると考えられています。この正しく働かない免疫をおさえるために、“薬の治療”を行います。近年多くの薬が開発されており、患者さんの状態や生活スタイルによって、最適な薬を使って治療します。
“薬の治療”にもかかわらず炎症がおさえられずにこわれてしまった関節には“手術の治療”が必要になります。体のどこの関節がこわれているのか、どの程度こわれているのかによって手術の方法はさまざまです。リウマチグループではいろいろな関節の手術を行っているため、患者さんにとって一番良いタイミングでの手術を勧めることができます。
関節リウマチの治療は“薬の治療”と“手術の治療”だけではうまくいきません。薬によって関節の炎症がおさえられ、手術によって関節の変形が治っていても、患者さん自身の日常生活が良くならなければ治療がうまくいったとは言えません。生活を良くするには地道なリハビリテーションが必要であり、時間もかかります。当院では群馬県内の医療機関とも連携して“リハビリテーション・ケア”に力を入れています。
このように、整形外科では主に“関節”に対して治療を行っています。しかし関節リウマチによる免疫の異常や薬の影響で、関節以外の治療が必要になることもあります。また、近年は内科の病気・皮膚科の病気・細菌やウイルスなどが原因となって関節に炎症を起こした患者さんの受診も増えています。このような時は、他の診療科と協力して治療をおこなうことが重要です。当院は大学病院であり、いろいろな診療科のサポートを受けられることが最大の強みです。安心して通院いただけるように全力を尽くします。