膝関節専門外来では、加齢にともなう変性疾患やスポーツ時の外傷などの疾患の診療を行っています。
変形性膝関節症は、膝の関節の軟骨が徐々にすりへり、変形してくる疾患です。初期には階段の上り下りでの痛みや正座ができないなどの症状がありますが、変形が進行すると平地での歩行でも痛みが強くなり、移動が難しくなることもあります。近年の高齢化社会にともなって、変形性膝関節症の患者さんは年々増加しています。当専門外来では、まずは詳細な診察やレントゲン・CT・MRI検査などを用いることで関節の状態を的確に診断します。そのうえで年齢や変形の程度に応じて、保存治療を行うか、手術治療(関節鏡手術、骨切り矯正術、人工関節置換術など)を行うかをよく相談し、治療を進めていきます。また、人工関節後の細菌感染や人工関節設置後の緩みなどについて近隣の病院から相談を受けることもあり、このような難治症例についても対応しています。
スポーツに伴う膝関節の外傷に関しては、前十字靭帯損傷をはじめとした靭帯損傷や半月板損傷、軟骨損傷などの治療を行っており、関節鏡を用いて少ない侵襲での靭帯再建術や半月板縫合術、関節軟骨形成術などを行っています。手術に至らない軽度の障害についても、リハビリなどの理学療法を行うことで、症状の緩和を目指しています。スポーツ復帰の時期などに関しても、活動レベルや本人の状況にあわせて一人一人にとってのベストを考えて検討していきます。